アクセス解析
レンタル掲示板
<< 点滴堂さん | main | 点滴堂企画展『人魚姫の嘆き』 終了いたしました。 >>
2017.09.02 Saturday

「私の人生は一遍の美しい物語です」


先日のブログで征矢泰子さんの人魚姫の詩から、言葉、感情のことなど書いたのですが、
そもそもの話として、人魚姫といって一般的に思い浮かぶのが
アンデルセンの童話ではないかと思うのですが、
アンデルセンの原本では人魚姫の話はどうなってるのだろう?と
疑問が湧いてきました。

早速、なるべく原本に近いと思われる邦訳で読んでみたのですが、
私が子供のころ読んで深く印象に残っていたアンデルセンの人魚姫とは
かなり印象が異なるものでした。

原本では人魚姫の幼少期から王子に出会うまでの描写がかなり丁寧に描かれており、
(私がかつて読んだ児童書版ではこの部分がばっさり省略されていました)
そしてまた面白いな、と思ったのは、
人魚姫は王子に親愛の情を覚えるようになったことで、
人間というもの全体をいとおしく思うようになったという描写とともに、
人魚姫は「永遠の魂」を手に入れたいと思った、ということ。

人魚は生まれ変わることができず、300年の寿命を生きた後ただ死ぬだけなのに、
人間には永遠の魂というものがあり、生まれ変わることで永遠に魂は生き続ける、
というような観念が描かれています。
熱心なキリスト教信者だったというアンデルセンならではの描写が織り込まれています。

(ちなみに、、
キリスト教で生まれ変わり?とちょっとひっかかったので調べてみたところ、
デンマークの国教であるプロテスタントの宗派の中には、
「個人の罪が赦された時、聖霊によって霊的に新たに生まれ変わる」
という教えがあるそうです。
私が住んでいたスペインは同じキリスト教でもカトリックですが、
生まれ変わりの概念はありません。)

そしてさらに驚いたのは、物語のラスト。
泡となって消えた人魚姫は、
彼女の良い心持に救われて、
さらに功徳を積むことにより300年後には永遠の魂を手に入れることができる、
と天使たちから告げられ天の国に近づきます。
その時初めて涙というものを生まれつき持たない人魚は涙を流すのです。

だから、人魚姫はいつも人が良いことをする手助けをするために
あなたのそばの自然の中にいて、
あなたが善い行いをすればより早く永遠の魂を授かることが出来、
あなたが悪い行いをすれば、彼女の永遠の扉も遠のく、と締めくくられています。

これはほんとうに教会のお説教的な描写部分で、
このあたりも私が幼少時に読んだ人魚姫の物語ではばっさり削除されていました。。


この人魚姫を読みながら、ハンス・クリスチャン・アンデルセンという
人物そのものにも興味がまた湧いてきたので、
ずっと昔に買った本をひっぱりだしました。



アンデルセンの自伝で、
「私の人生は一遍の美しい物語です」
というこの有名な一文はご存じの方もおられるかもしれません。


これを改めて読んでいるとアンデルセンはつねに神に寄り添い、
神の手となって執筆を続けていたように感じます。
とりわけ、この「人魚姫」の物語はアンデルセン自身と人魚姫が重なります。

少年期に極貧の中にあっても、
両親にまるで物語の中の王子様のように大切に育てられたアンデルセン。
現実をみず、夢見ることしか知らなかったアンデルセンは、
美しい声を持っていたことで、少ないお金を持ってコペンハーゲンへ上京し、
オペラ歌手になろうとしますが、声変わりで挫折。
そのあと執筆の仕事も、あきらめられない舞台への夢もことごとく破れてゆきます。

けれど絶望と極貧のどん底にあっても、
なにかのんきな部分が自分の中にあったと彼は自伝の中で書いています。
(幼少時代からのアンデルセンの環境は別の見方をしたら、
あまりに凄惨といえるかもしれません。。極貧の中、祖父、祖母、両親ともに狂死。
彼はその狂気の血を受け継いでいることに恐怖を感じていた部分もあったようです。)

こののんきな部分こそが、救いであり、彼の強さでもあり、
そして永遠に循環する豊穣=コヌルコピアに届かせるもののように私は感じます。
のんきな部分。
根拠のない安心感。
これは人の心の中に示される神の手なのかもしれません。

根拠のない安心感を持っているか持っていないかで、
その人が頭で考えているのか直感で動いているかがわかります。
そして直感で動くことこそが、この大地に於いてコヌルコピアに触れる鍵。

アンデルセンの自伝を読んでいると、両親の育て方の功徳もあって、
かれは直感でしか動いていない。
それでたくさん無駄道を歩いているようにもみえるけれど、
結局そのすべては、彼の詩や童話に集結している。

ひさしぶりにアンデルセンの自伝を読んですっかり忘れていた部分も多く、
今読んでみると、なんとはなくヴァン・ゴッホを思い出したりもしたのでした。。

 



点滴堂企画展「人魚姫の嘆き 2017」 →公式ページ

8月23日(水) - 9月3日(日) 月・火定休

12:30-21:00


会場/ 点滴堂 →HP
    東京都武蔵野市中町1-10-3 2階
    ・三鷹駅 北口より徒歩5分




「点滴堂」さんとはこんなところです・・・

ギャラリースペースのあるブックカフェ。
三鷹駅 北口 歩いて5分のちいさなお店です。

書棚の古本や 作品の展示とあわせておいしい珈琲をどうぞ♪

書棚や展示作品をご覧になるだけでも歓迎です♪

どうぞお気軽にお立ち寄りください☆

(点滴堂さんホームページより)

***


いよいよ日曜日までとなりました*
ぜひおこしくださいませね。


コメント
コメントする








 
この記事のトラックバックURL
トラックバック
Calendar
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
<< September 2020 >>
生活をみなおそう
                       
MAJOホームページ
http://majo.moo.jp
MAJOへの仕事のご依頼
展覧会や販売、作品のお求めやお問合わせは まずはメールにてご連絡下さい。 majo_ceramica@yahoo.co.jp
Profile
MAJOプロフィール
 
Live Moon ブログパーツ
 
Selected Entries
Categories
Archives
Recent Comment
Profile
Search this site.
Others
Mobile
qrcode